ゲルマFUZZとシリコンFUZZの温度耐性の違いについて
- 2017/04/15 11:45
- カテゴリー:音楽
ちょっと前にデジマートマガジンでこんな記事がありまして
>ゲルマニウム・ファズの音は温度によってどう変わるのか?
http://www.digimart.net/magazine/article/2015070101489.html
はっきり言って比較がぬるい
そもそもFUZZFACEもSOULBENDERも構造的には温度差が出にくく設計されているのと、
たとえばカナダあたりとかいけば氷点下の野外ライブだってあるはず(酷い偏見)
ゲルマの漏れ電流をアテにした設計がされているTONEBENDER MK2を、
ゲルマとシリコンでそれぞれ自作したのが手元にあるので、
それらを思い切って冷凍庫で冷やしてみた
結果がこれ
前半が小動物用の電熱ヒーターで人肌程度にぬくめた状態
後半が冷凍庫に一時間以上ぶちこんで出してきてすぐの状態
ゲルマ
ファイル 650-1.mp3
シリコン
ファイル 650-2.mp3
シリコンが思ったよりちゃんとしてて設計した自分もびっくり
TONEBENDERのMK1もおそらく同じ結果になると思います
MK1、MK2は初段が何故かゼロバイアスで増幅されるようになってるんですが、
これはゲルマトランジスタのコレクタ側から漏れ出る電流がベースバイアスとして作用しているので、
シリコンで同じ回路を作っても音が出ません
なのでシリコンのほうは色々試行錯誤の上、自己バイアスを軽くかけてます
この漏れ電流が温度で大きく変わってくるので、温度差を比べるならTONEBENDER MK1、MK2で行うべきです
MK1.5やFUZZFACEなんかは初段にNFB経由でベースバイアスがちゃんとかかりますし、
SOULBENDERみたいなMK3系も初段はしっかりとベースバイアスかけつつ、
ダーリントン回路で大きく増幅した後にゼロバイアス増幅段とダイオードでクリップさせる設計なので、
あまり漏れ電流とかが作用する部分がありません
個々のhfeは変わりますけど、回路自体の増幅率が大きく変わるわけではないです
なので温度を気にしていいのはTONEBENDER MK1、MK2、及びそのクローン機だけなんじゃないでしょうか